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アクロポリスで考えた事 

ギリシャの首都、アテネの漢字表記は「雅典」と書くらしい。私にはまず読めないが意味としてはこれ以上適切なものもないだろう。出張で数日の滞在だったのだが、パルテノン神殿までは足を伸ばせる時間があった。紀元前5世紀築のこの建物はやはり「雅」であり西洋文化の「典」である。

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アクロポリスを歩いていると同僚のギリシャ人が「どうしても取り返さないといけない」と繰り返す。およそ200年前、古代ギリシャ芸術に魅了されたイギリスの伯爵、エルギン卿(Lord Elgin)が、アテネからイギリスに運び出したパルテノン神殿の彫像やレリーフ群のことである。1830年の建国直後からギリシャ政府はイギリスに対して返却を求めているが、この彫刻群は現在も「エルギン・マーブル」として大英博物館の著名なコレクションのままである。

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「略奪美術品」という言葉はルーブルやメトロポリタン美術館のエジプトコレクションなどにも良く用いられる。それぞれに込み入った歴史的背景があり、現在の価値観だけで良し悪しを決めるのも無理があるだろう。エルギン卿が10年もの歳月をかけてせっせと美術品を母国に運んでいた頃のギリシャはトルコ(オスマン帝国)の支配下にあり、イスラム教のオスマントルコ政府は異教徒の文化遺産であるパルテノン神殿を重視しなかったのか、当時の政府はエルギン卿の強奪作業を黙認している。

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でもやはり自国の文明の最高傑作を返して欲しいと思うのは順当な愛国心であろう。芸術品としての価値に気づくのが外国より遅れ、優れた作品の多数は海外美術館所蔵、という浮世絵とは少しケースが違うようである。

左上は今年初夏、ロンドンへ行った際、大英博物館の「エルギン・マーブル」の前で撮った一枚である。右は帯〆になるべくアテネの道端でみそめられたブローチである。
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コメント

あかねさま こんにちは♪
久し振りに更新されていて、とても嬉しいです。
最近、あかねさまのブログを最初から少しずつ拝読させて頂いてます。
読み応えがあって、本当に面白いです。
子供が生まれて以後、ヨーロッパに行った事がありませんが、こうしてあかねさまのブログを通してヨーロッパが垣間見られて本当に感謝しています♪
ギリシャはお仕事で、御着物はお召しにならなかったのでしょうか?

おひさしぶり

あかねちゃん
お元気そうですね。ギリシャよさそうやなあ。まだ行ってないねん、、、。それにしても帯留めすてき☆うまいこと見つけるなあ。初釜行くやろ?またゆっくり会いたいですね。

あかねさん、こんにちは!
ほんとうに、真美さまのおっしゃる通りあかねさんのブログは、異国の文化そして日本の文化を自在に行き来し、色々な事を勉強できて本当に面白いです!ご本になって欲しいくらいです!

パルテノン神殿の彫像類、ロンドンにあるのですね・・ギリシア人の同僚の方のお気持ちはやはり順当なことですよね。ルーブルや大英博物館や、一挙に各文明の一級品を見る事ができるのはとっても楽しい事ではありますが・・。

それにしてもあかねさんに見初められたブローチ、かわいい!ちょっとオリエンタルな雰囲気、唐草菊紋かしらという感じ??お着物や帯締とのとりあわせも、すごく素敵です!!帯留お洒落にますます磨きがかかっていらっしゃいますね♪♪

そうそう、先日図書館でビアズリーの本に目が留まり、さっそく借りてみました♪ジャポニズムについての記載もあり、これから楽しみに読んでみます♪

これが例の…

帯止めですね!!
とっても素敵です。アテネで手に入れたものが、日本の着物に使われるというのが、また物語性があってわくわく致します!

私も…

みなさまと同じく、帯留めに釘付け♪
すてきですねえ(蔓のくりん×2が)好みです~(^-^)b
あかねさまのところでヨーロッパ旅行させていただいてます。
感謝×2 (^-^)/

イギリス人の見方

エルギン・マーブルについてイギリス人は、「あのままパルテノン神殿にあったら今頃どうなっていたことか。イギリスが保存してやったのに、それを今更強盗呼ばわりして返せだと?!」と思っているようで、私も一理あると思っています。

それにしても、このパルテノン神殿、2500年の間に様々な宗教の寺院となったり戦争で大破したのを修復したりと、スケールの大きな歴史を感じさせてくれますよね。私も2度行ったことがありますが、色々考えてしまいます。でもなんといっても美しいのがこれだけ有名な理由でしょう。

*真美さま
こんにちは!
こんなに稀にしか更新しないブログをいつも見に来ていただいてありがとうございます。

私も真美さんのブログで芦屋の生活を垣間見ています。この前パリに引っ越してきたばかりの方と話していたら「いかりスーパー」の話題になったのですが真美さんのブログで見ていたのでちゃんと会話についていけました(笑)

今回は残念なことに着物は無理でした。今回に限らず最近着物から遠ざかっているのですが、来週末帰国する前に一度着れそうです。

*アリアドネさま
お久しぶりです!
プロジェクトの進み具合はいかがですか?
来年の初釜はちょうど出張と重なって難しそうなんですよ。残念。
又近いうちに是非お会いしましょうね。

*いしのすけさま
こんにちは!
いつも嬉しいお言葉どうもありがとうございます。

本当に元々は戦利品だった物や元植民地から運んだ品はそれぞれの国に帰すのがまっとうだという考えが多くとも、展示場所や保存設備を考えるとなかなか難しい問題のようです。今でもアフガニスタンやイラクから美術品が略奪されていますが、市民はもちろん、文化遺産も戦争の犠牲になっているのですね。

帯〆を合わせたこの紬はまだ反物の状態なんです。来週日本に持って帰って仕立ててもらうんです^^

*舞夢さま
基本的な着物姿は崩さずに、純日本のものだけでなく他の国の文化も組み込んだ和装姿に出来れば楽しいだろうな、と思います。多文化着物姿を目指して旅行中はブローチに目を光らせています(笑)

*やっぴーさま
こんにちは!
帯〆が増えるのは楽しいのですが、私は「洋風アクセサリーを持つのは好きだけどつけない常習犯」なので、この子も宝の持ち腐れにならないように着物を着る機会を出来るだけ増やしていきたいと思います。

*椿姫さま
こんばんは!
そうなんですよね。あのままアクロポリスにあったら今の状態では残っていなかったかもしれない。公害のひどい現在のアテネで野外のパルテノンに戻すとなると彫刻の痛みも心配。でも大英博物館でマーブルを洗う時に傷つけてしまったということもあったようで、両国間では激しい議論がなされているようですね。
エルギン卿は二対ある彫刻は一つしか持って帰らなかったとか。やっぱり全部持っていってしまうのは悪いと思ったのでしょうか。。

行ってみたい国です

ギリシア 行ってみたいです。今の季節 どんな空気なんでしょうか。
日本はピンとはった冷たい感じです。
大英博物館にあればミイラも無料で見られるけど、エジプトに返却すれば拝観料を取られるんでしょう。
それでエジプトが潤うというなら是でしょうか。。。
ギリシアにあったものはギリシアで見るとその本来の姿がよりわかるような気がします。

あかね様

うやです。

あかねさんは今日本でしょうか?来年までいらっしゃるのなら、九州国立博物館の「若冲展」や滋賀県立近代美術館の「志村ふくみ展」もご覧になれるれるのですが・・・。

ところで、アテネで手に入れた帯止めのパーツと大島紬(でしょうか?)の取り合わせ、本当にすてき!

鶴見和子さんも「着物自在」(晶文社)のなかで異国のもの同士がうまく溶け合う組み合わせを帯でしめしてくださっていますが、私も先日インドネシアのバティックの布を帯にしました。

友人の叔父様が(今90歳くらい?)インドネシアからその昔手に入れてこられたバティックの生地で彼女のいとこがワンピースにしてたのを友人が譲り受けて
それも着古したけど天然染料のいいものだから細工物にでもしてと私にくれたのですが、解いてみると本当にいいバティック!チャンチン(蝋描きするときの道具)で描いたもので、茶と藍の植物や魚がモチーフの生き生きした模様、アイロンをかけるとほのかに藍の匂い、もうこれは切り刻まないで帯にと思いました。麻の茶色の布を足して素敵な帯の出来上がり、私より友人に締めて欲しくて再びプレゼントしました。

他にも、別のバティックでラオスの手紡ぎ、手織りの茶綿の布とあわせ市松模様にして帯をつくりもう一人の友人にプレゼント。

もの同士はこうして地球的規模で溶け合っているのに、人間同士となると・・・。

あかねさん、こんばんは。04年、二度目のギリシャ旅行で神殿やギリシャ彫刻を目一杯見ました。エルギン卿もイギリスへどうしても彫像の傑作を持ち帰りたかったのでしょうね。

デルフィ考古学博物館でみた“スフィンクス”や青銅の“御者像”は一生の思い出になりました。次回はクレタ島、サントリーニ島の宮殿遺跡や壁画を見ようと思ってます。

*春吉さま
ギリシャでは冷え込んできたといっても昼間はとても日差しが強かったですね。

アメリカの美術館がエジプトのミイラを帰したり、ドイツのハイデルベルク大学がパルテノン神殿の破片を返還したり、大英博物館所蔵の美術品をそれぞれの国に返還させようとする国際的な動きに拍車をかけていると聞きました。複雑な問題です。

*うやさま
こんばんは。
今週末から帰国いたします。
東京でも京都でも見逃した若冲展、九州に行くのですね。滋賀県の志村ふくみ展はいつまででしょう。。どうしても見たいですねぇ。

この紬はセカンドハンドの反物で何の紬かわからないんです。赤が基調のイカットの帯に合わせたいなぁと思っています。これも異国同士の組み合わせですね。

インドネシアのバティックの布でお作りになった帯のお話、素敵です。うやさまはご自分で和裁をされるのですね。

来週から少しの間インドに行く予定をしているのですが、帯にする布を探して、異国文化融合の和装姿をするのがとても楽しみなんです。

*いづつやさま
去年クレタ島からアテネまでのアイランドホッピングをしたのですが、色々な島を見てアテネとはまったく違うそれぞれの雰囲気を楽しみました。歴史が古い分、一つの国でも文化の多様性があり他のヨーロッパの文化大国にも負けない国ですね。

未来の子供達に

考えてみれば世界史は略奪の歴史ですよね。ローマ帝国しかり、イギリスしかり、スペインしかり、20世紀には、ドイツが、日本が、ソ連が、そして今はアメリカがベトナムに、イラクに何をしてきたか。何をしているか。この頃は人類としての生命は短いと言われてさえいます。美しい地球を、美しい日本を未来の子供達に伝えていかなくてはならないと思います。

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デルフィ考古学博物館

先週放映された世界美術館紀行にデルフィ考古学博物館が登場した。ここは2年前、訪問
  • [2006/12/14 23:37]
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  • いづつやの文化記号 |
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