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LES COUPLES PARFAITS (完璧なカップル達) 

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「Le Baiser」Auguste Rodin,1886

Valéria Bruni-Tedeschi(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)はとても好きな女優なのだが   日本での知名度はどのくらいのものなのであろうか。彼女の妹でモデルのCarla Bruni  (カーラ・ブルーニ)の方が有名なのかもしれない。彼女が出演している今回の作品は今までにも増して気になっていた。

『Un Couple Parfait』(意:完璧なカップル)と題されたこのフィルムは役者も、設定も、扱うテーマも極めてフランス的な作品である。15年連れ添った夫婦の別離までの最後の数日。2人が駅で抱き合うポスターの中で唯一フランス的でないのはNobuhiro Suwaという監督の名前だけである。諏訪信弘監督は2002年にMarguerite Duras (マグリット・デュラス)原作 『Hiroshima Mon Amour』(邦題:二十四時間の情事)のリメークを『ベティ-・ブルー』の  女優、Béatrice Dalle(ビアトリス・ダル)で撮った人だ。

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映画の中でブルーニ・テデスキがロダン美術館を訪れるシーンがとても印象的で久しぶりに足を運んでみたくなった。ロダンが1908年から没年までアトリエとしていたパリ7区にある 18世紀築ビロン館は現在美術館として公開されており「接吻」や「考える人」、「地獄門」を含む彼の傑作に出会える。

思出の中にたふとく金色(こんじき)すロダンと在りしアトリエの秋

これは1912年に夫、鉄幹とビロン館までAuguste Rodin(オーギュスト・ロダン 1840-1917)に会いに行った与謝野晶子の詩である。2人はこの時まずパリ郊外、ムドン村にあるロダン邸を訪ね、当時内縁の妻であったローズ・ブレに生憎ロダンはパリのアトリエで制作中だと教えられたらしい。72歳で正式にロダン夫人となり同年に亡くなるまで50年以上彼の芸術活動を影で支えた彼女よりも、ロダンの名前にはCamille Claudel(カミーユ・クローデル 1864-1943)の存在を結びつける人の方が多いのであろう。

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「La Valse」Camille Claudel,1905 「La Danaïde」Auguste Rodin,1890

Isabelle Adjani(イザベル・アジャーニ)がカミーユを演じた映画があったが、このフィルム  以前はフランスでも「クローデル」と言えばカミーユではなく彼女の実弟、Paul Claudel(ポール・クローデル 1868-1955)の事を指す場合が明らかに多かったらしい。著名な詩人及び劇作家であったポールは1921年から27年まで駐日大使を務めた外交官でもある。

カミーユの知名度が上がるにつれ、彼女についての研究も進み、ロダンの作品と思われていたものが実は彼女の手によるものだったと判明したケースも少なくないらしい。2人の彫刻を前にすると作風が似ていると言う以上にお互いの作品に手を加え、影響され、惹かれあった証拠を見せ付けられているようである。ロダンによって花咲き、葬り去られた女性芸術家としての印象の方が作品自体よりも注目されがちなカミーユ。彼女が30年後に生涯を閉じる精神病院へ収容されたのは与謝野夫婦がバロン館を訪ねた翌年の春のことである。
日本にも彫刻家に愛され、自分自身も芸術家としての才能に溢れながら、気がふれたとされている女性がいる。

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0306_couples(3).gif切絵:高村智恵子

僕はあなたをおもふたびに
一ばんぢかに永遠を感じる
僕があり あなたがある
自分はこれに尽きてゐる


僕等「智恵子抄」高村光太郎著

愛の詩集という言葉がここまで素直に溶け込む作品も少ないのではないか。与謝野夫婦の愛弟子ともいっていいであろう高村光太郎は夫婦より一足先の1908年にパリに滞在している。ロダンに感銘を受けていたらしが本人には会わなかったようだ。彼は後に「ロダンの言葉抄」を翻訳している。

高村光太郎と智恵子、与謝野鉄幹と晶子、ロダンとローズ・ブレ夫人、ロダンとカミーユ。  純愛、略奪愛、夫婦愛、狂愛。。他人が選んだ範疇に縛られながら語り続けられるあまりにも有名なカップル達。私の中ではそれぞれに完璧なカップル達である。

ロダン美術 Le Musée Rodin
Hôtel Biron
77, rue de Varenne 75007 Paris
Tél : +33.1.44 18 61 10
www.musee-rodin.fr

photos: www.allocine.fr, www.musee-rodin.fr

2月1日付「祖母の形見の話」にお寄せくださったakeさんのコメントもご参照ください。
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コメント

完璧なカップル達

Los Angeles County Museum of Art (LACMA)に、ロダンの小品が常設展示されています。いろんな彫刻に埋もれそうな大きさでいて、決して人の目を逸らさないパワーに溢れています。もしかしたら、カミーユの手が入っているのかもしれませんね。パリのロダン美術館、何年か前に訪れた母が帰国してからしばらくロダンとカミーユについて話していたこともあり、いつか訪ねたい美術館です。そこに与謝野晶子・鉄斎がからみ、高村光太郎・智恵子とも関連があるとはv-237『智恵子抄』であまりにも有名な高村智恵子の切り絵を初めて拝見しました。色づかい、空間の使い方に心惹かれます。
いろいろな愛の形、きっと一つとして同じものはないのでしょう。平凡な日々の生活を大切にしていこう、と改めて思いました。

明治の日本=フランス繋がり

ブルーニ・テデスキは昨年秋公開された離婚~ふたりの出会いと時を遡る作品で見ましたよ。いいですね、映画のブログに記してます。

ところで、ロダン、晶子、智恵子つながりを面白く拝読しました。あの頃の文化人は洋行といえば,フランスへいったから、当然つながりますよね。
晶子と鉄幹の「完璧なカップル」論を
晶子の研究誌で少し触れています。
ご高覧いただければうれしいです。

http://www.eonet.ne.jp/~umetaka/box.html

ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ

注目のオゾン監督とヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
の作品はここで触れています。

http://blog.livedoor.jp/ake149/archives/50270319.html

智恵子と光太郎

智恵子の病気は、ジェンダーと藝術と関係がありそう。ロダンとカミューがそうなのと同じかな?

智恵子についてフェミニズム文学批評の立場で「女の首」といういい本が80年代に書かれました.新進の女性文学者、黒澤亜理子?だったかな?

この本は光太郎と智恵子の関係を根底から覆したもので、光太郎の愛のあり方と芸術家夫婦の問題を浮き彫りにしました。夫の影で自分の才能を開花させることが出来なくなる@性別役割!

この本をベースに、大竹しのぶの一人芝居、ニザエモンの娘の片岡京子がいい芝居を演じ、どちらもみました。
こういうこともドンドン発見していくと面白くなりますよ。

あかねさん、
この「完璧なカップル」編はレべルの高いいい内容でしたよ。かなり準備されたのでしょ.資料はそちらで手に入るの?

*harukoさま、
コメントどうもありがとうございます。最後に美術館を訪ねた時、手をテーマにしたロダンの作品を集めた部屋があったのですが、3センチくらいのものでも本当にパワーに溢れているという感じでした。

パリ郊外のムドンにあるロダン邸も夏だけ開いている美術館なのですが、まだ行けていません。手の作品が特に多いと聞いて今年の夏は是非と思っています。

高村智恵子さんの切絵、素敵ですよね。私はこれを見ただけで高村光太郎の詩を思い出し涙腺が緩んでしまいます。。^^

*akeさま
「与謝野晶子倶楽部機関誌」のakeさまの記事、教えていただきありがとうございます。興味深く読ませていただきました。引用された2人の詩は晶子と鉄幹の「完璧なカップル」論を見事に正当化してくれますね。

実は最初は映画のことだけについて書くつもりだったのですが、akeさんに教えていただいた与謝野晶子のロダン訪問のお話が頭に残っており、一度触れたいと思っていたものですから、ロダン繋がりでここで書かせていただきました。資料と言っても手元の本とインターネットだけですのでいい加減なものですが。。

智恵子とジェンダー。。とても納得します。カミーユも同様、まだ女性が芸術家であるということを素直に受け入れない時代だったのだろうと想像します。センシティビティーに溢れた女性達には特に辛いことが多かった時代なのかもしれませんね。

オゾンの「5X2」は大好きでした。イタリアのレトロなサウンドトラックがとても気に入って一時よく聞いていたんですよ。それにしてもakeさんの活動の幅の広さとフットワークの軽さには本当に感服いたします。。

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