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ロンドン美術館巡り 

残念なことに私は計画性のあまりない方である。今回も計画性のないままドーバー海峡を渡り、ウォータールー駅に着き、ホテルのアドレスを忘れたのに気づいたのはチューブに入ってからであった。

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こんな私でさえ、とても有意義にイギリスでの時間を使えたのはひとえにロンドンの友人達と、今回初めてお会いしたロンドンの椿姫さんのお陰である。誘っていただいた歌舞伎とオペラはもちろん、レストランやアフターヌーン・ティー、美術館などにもご案内いただいた。4日足らずの滞在で大小6つの美術館を巡った計算になるが、その中でも前から気になっており今回初めて足を踏み入れ、すっかり気にいった2つのコレクションがある。

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Courtauld Gallery, Somerset House

ウェストミンスター地区にあるコートールド・ギャラリーは1932年に実業家のサミュエル・コートールド氏の個人コレクションを元に設立されている。コートルードはまだフランス印象派があまり注目されていなかった頃に絹織物業でなした財をもとに第一級の作品を集めイギリスにおけるこの分野の開拓者と称されるらしい。「鑑賞とは作品との対話であり、絵が話しかけてくるまで。」 とはコートルード氏の言葉だそうだが本当に自分の感性に響く作品としっかり見詰め合った結果生まれた無駄のないコレクションである。

この日は歌舞伎の時と同じ絽に青磁色の夏帯を締めたのだが、コートールドで知らない方に「この帯の柄はなんというお花ですか?」と質問され、答えられずに赤面してしまう。

このギャラリーはかつては内国歳入庁であった18世紀築のサマセット・ハウス内に設けられており、噴水が備えられた中庭には冬になるとアイススケートリンクが設置されるらしい。椿姫さんと訪ねたその日は京都顔負けの猛暑。小さい子達が噴水の間を駆け回っていたのがとても絵になっていた。

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The Wallace Collection

マンチェスター・スクエアという小さな公園に面したジョージアン様式の洋館にハートフォード侯爵家5世代にわたるコレクションが入っている。1897年、第5代目にあたるリチャード・ウォーレス卿の未亡人によって「1品たりとも変えない」ことを条件にお屋敷ごと国家に無償で遺贈されたウォーレス・コレクションである。ある一家族の住んだ家でその家族が収集した芸術品の数々を見られるというのはとても個人的な境界にお邪魔しているような気になるものだ。実際第3代目侯爵の愛人達を描いたミニチュア肖像画もコレクションに混じっていたり、一番作品収集に熱心であったパリ育ちの第4代目侯爵の肖像画は一枚もなく、人前に出るのを嫌った性格が伺えるようだ。

コレクションはこの4代目侯爵が主に集めた18世紀フランス絵画、陶器を中心にヨーロッパの巨匠の大作が揃っておりハートフォード侯爵家の財力と確固たるセンスが見事に結晶している。ここまでのフランス芸術の作品群をパリ以外で一度に見られるとは想像もしておらず、とてもいい意味で驚きであった。

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wallace(2).jpg The Wallace Collection

規模の大小に関わらず、見ごたえのある美術館とそうでないものがあるが、この比較的小規模な2つはもちろん両方とも前者の方である。部屋を去るのが惜しいほど見つめていたい作品が多く、出てきた後にふと現実にもどったような錯覚にとらわれる場所である。

今回改めてイギリスの国立美術館入場無料制度の良さを実感した。公園のように公共の場として美術館が存在するイギリスでは美術館の定義自体が、美術館に対する認識自体が異なるような気がする。どこの国でも真似できるシステムではないのだろうがまったく羨ましい理想的な形である。

Courtauld Gallery コートールド・ギャラリー
Somerset House, Strand, London WC2R ORN
Tel: +44.20.7848.2777
http://www.courtauld.ac.uk

The Wallace Collection ザ・ウォーレス・コレクション
Hertford House, Manchester Square, London W1U 3BN
Tel: +44.20.7563.9500
http://www.wallacecollection.org/
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コメント

私も好きな美術館です

ロンドンで初めてお会いできてとても嬉しかったです。色々お話もできたし、楽しかったですね。あの異常な猛暑には参りましたが。
でも、暑い日だからことのサマセットハウスのこの白い日傘のお写真、素敵ですね。撮った私の腕が良いのではなく、もちろん被写体が素晴らしいのですが。

このふたつの美術館は私も大好きで、何度か行ったことあります。素晴らしい作品がたくさんあるわりには静かでこじんまりとして、ゆっくり楽しめますものね。

無料ということに関しては議論のあるところですが、やはりたくさんの人に見てもらうという一番大切な点を重視すると、当然無料がベストであり、私も納税者として、こういうところに有効に税金が使われるのであれば文句はありません。

ロンドンの美術館

2年後にパリ、ロンドン旅行を計画してます。そのときはコートールド、ウォーレスを是非訪問してみたいですね。あかねさんの記事を読み、これはもうはずせなくなりました。

また、テムズ河畔に3、4年?前、新しく誕生した現近代絵画の美術館にもすごく興味があります。テート美術館の作品はここへ移ったということですので、最先端のアートとともにターナーやコンスタブル、ダリ、ピカソの名画にも再会したいです。

*椿姫さま、
本当にこの日はどうもありがとうございました。椿姫さんには前もってちゃんと計画していただいてコートールドには無料の時間帯に連れてっていただきました。白い石畳に跳ね返る日差しが眩しいほどお天気が良く、暑かったんですよね。

作品にまつわるお話や歴史が個人コレクションの場合とても身近に感じられ、私は大きな美術館よりもこういうギャラリーの方がいつも楽しめるようです。

美術館無料に対してはやはり納税者の方の中で反対派の方もいらっしゃるのでしょうね。

*いづつやさま、
こんにちは。
今年はイタリア、来年はスペイン、そして再来年はイギリスとフランスと、毎年美術館巡りをされているのですね。

最後のイギリス訪問が15年前だとするとテートモダンも含め今のテムズ河畔は大分変わったのでしょうね。大英博物館では150年間使われていなかった中庭の読書室もリノベートされ、公開されていて素敵な空間になっていました。

うやです。

あかねさま

ロンドンの暑さは格別だったようですね。あかねさんのすっきりした着こなしが涼を呼んだことでしょう!

ところで前の号で「堀越希実子の着物ごよみ」のご紹介がありましたが、私もあれから読ませてもらいました。

ほんと素敵!!着物の本は染五郎のお母様も獅童のお母様も出されていますが、個人的には「堀越希実子の着物ごよみ」が一番好きです。

6月の薩摩絣いいですね~。浦野理一氏の縦節の紬の帯も。

私は九州で育ちましたが、幼いころ薩摩絣は日常なじみ深いものだったように覚えています。紺の久留米絣を男の人が着るのもいいけど、白の薩摩絣はもっと男前になるような・・・。

いづつや様

5年ほど前モダンテートを2時間ばかり駆け足で見ました。元火力発電所の建物をうまく使っているように思いました。展示品か休憩用椅子かわからなくてためらっていたら、やはり休憩用で、係員の方がすすめてくれました。

マチスやモンドリアンの作品も、一見ガラクタのような現代美術もあり、建物、係員の服装を含め全体で面白い美術館でした。

ロンドンで!

あかねさん、こんにちわ!涼を呼ぶ素敵な着姿のお写真、またまたうっとりと堪能させて頂きました♪♪背景の広い噴水の水面や真っ青な空と、真っ白な日傘がとても美しく・・日傘のさきっぽに赤が見えるのがまたお洒落ですね♪♪

ロンドンの美術館事情、とても羨ましい事です・・。ふらっと立ち寄って気軽に美術品に触れる事ができる気負わない感じがいいですね。それから個人のコレクションの魅力というお話にも、なるほど!です。ルーブルや大英博物館がデパートだとしたら、個人コレクションはセレクトショップといったところかしら(笑)。

椿姫さんとの着物デートとても素敵な一日だったことでしょうね・・♪♪

*うやさま、
こんにちは!
そうですか、染五郎のお母様も獅童のお母様もお着物の本をお出しになってられるのですね。私はお二人の本は読んだことはないのですが堀越希実子さんは本当に素敵な趣味で好印象を持ちました。こんな世界を垣間見させてもらえるのはとても興味があるのですが一度ある歌舞伎役者さんのご夫人の着物の本があまりにも非常識でびっくりしてしまったことがあったんです。堀越さんのご本を拝見して歌舞伎界のご夫人達のイメージがまたいい方に広がりました。

夏の焼けた肌に白の薩摩絣なんてとても素敵ですよね。わたしの亡くなった祖父も白い絣を着ていてとてもダンディーに写っている写真が残っています。本当に男らしい。

*いしのすけさん、
こんにちは!ありがとうございます。
日傘の先が赤いなんて今初めて気がつきました(笑)そういえば鼈甲まがいのものが先についていました。

パリも普段は美術館一般どこでも結構入場料をとるので羨ましいですね。デパートとセレクトショップとはまさに絶妙ないい当てです。

椿姫さんは大きなお子さんがいらっしゃるとはまず思えないくらい若々しくてお話が面白くてチャーミングな方でした!色々気をつかってくださり、お友達にもお会いでき、沢山お話もできて本当に楽しく過ごすことができたんです。

羨ましい限りです。

あかねさんへ。
こんばんは。お元気にお過ごしですか。
ロンドンへはたった一回行ったきりですが、僕も短い時間ながら美術館三昧しました。入場料金がただな事には愕然とし、なんだか非常に申訳ないように思えて沢山寄付(笑)質量ともに日本とは比べ物にならないコレクション、芸術から金と取らない姿勢、色々と考えさせられる旅となりました。猛暑の中お着物は大変だったでしょうけど、着物姿のあかねさんを見る事が出来た人は、また違った意味での芸術作品を目の当たりにしていい想い出になったんじゃないでしょうか……。

快晴にふさわしく

 ロンドンはすばらしいお天気だったのですね。その快晴にふさわしく、和姿がとても粋ですね!
 美術館は絵画のみならず、展示の場である建物も調度品もお庭も、全てが貴重な美術品だと思いました。
 そしてブログで気の合った人どうしがこうして実際に出会えることも素敵ですね。一昔前には考えられなかったですけど。(笑)

神戸より

はじめまして、あかねさん。
時々こちらにおじゃまして拝見させていただいております。
私も茶道を嗜んでおりますのでパリやローマでの茶会のブログは興味を掻き立てられました。
日本も梅雨も終わったのではないかと思う程暑くて着物を着る方も珍しいのに、海外でのお着物姿に頭が下がる思いです。
海外での生活に和をと取り入れてのお暮らしぶりやヨーロッパの生活習慣などの描写が細かくお人柄が推測される文章にいつも感心して楽しませていただいております。
私も海外に関心を持ちながら日本の素晴らしさをもっと探求したいと思っております。
あかねさんのブログから色々なヒントや刺激を受けるものが多くこれからも学ばせていただきたいと思っております。
宜しければまたおじゃまさせて下さいませ。
今後も宜しくお願いいたします。

ロンドンの椿姫

またお邪魔します。
ご一緒した日の記事をTBさせて頂きました。私はあかねさんのような涼しい着物ではなかったので「暑~い! 苦しい~!」という文句ばかりですが。

皆さん、あかねさんは、文章とお写真から想像する通りのすらっとしたインテリ京美人さんですよ。英語もご堪能で、そして京都弁がなんとも言えずチャーミング。私の友人二人もすっかりあかねさんのファンになりました。

お土産に頂いたジャム(というのでしょうか?)も珍しくて美味しくて、私の家族もとても気に入ったようで、ネットで検索なんかして、パリに行ったら絶対行こうね、と言ってますので、近いうちに皆でパリに押し掛けるかもしれません(笑)。あかねさんのおかげでなんだかパリが急に近く感じます。

*ブノワ。さん
こんばんは。パリは毎日晴天の暑い日が続いています。
昨夜ルーブルのノクチューンに行ったのですが18時以降は入場料が普段の8ユーロより2ユーロだけ安くなるんですよね。夜は人も少ないのでいい感じなのですがやはり「ロンドンでは。。」と思ってしまいました。コレクションを見終わった後に是非寄付をしたいと思える形が理想なんでしょうけど難しいですよね。

実はウォーレス・コレクションで少し気になったのは、いたるところに設置された「寄付をお願いします」ボックスなんです。それに受付のおにいさんが「入場料はいただいておりませんがお客様にはそのかわりカタログを買っていただいております」とかいうんですよ!でも結局あまりにもいい美術館だったので最後はよろこんで寄付をしてカタログも購入しました。椿姫さんに教えていただいたのですが改装したばかりのようで少し大変なのかもしれないですね。

*夢ごこちさん
本当に作品だけではなく場所って大事ですよね。私が京都でよく行く日本のデパートの最上階の展示会はいつも「大奉仕」や「○○祭り」とちらしのはられた人のごったがえしたバーゲンコーナーを突ききって行くようになっていて。。。せっかくいいものを見た後も一歩展示室から出た瞬間ガラガラガッシャンと崩れてしまいます。(笑)

実は私ブログやソーシャルサイトに長い間偏見を持っていたタイプなんです。でも何にでも食わず嫌いで終わらずに試してみるべきですね。ネットでお会いした方と実際にあんなにいい時間が過ごせるなんて新鮮でした。

*アーミさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
お茶を長い間されているのですね。私も早くお茶会に出ても恥ずかしくないようになりたいです。お茶のときにお着物はお召しになるのでしょうか?私はいつも仕事帰りにばたばたとお稽古ですので洋服なのですが、たまにお着物ですると袖や裾が気になって本当に困ったものです。
こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。

*椿姫さま
あっ!ブログを初めて半年。初めてトラックバックいただきましたよ。ありがとうございます!

ジャム(でいいと思います。。)、気に入っていただいてよかったです。計画性のない私らしく瓶入りのものなどをわざわざ選んでしまって自己嫌悪だったのですが、そう言っていただけると本当に嬉しいです。是非ご家族で押しかけてください。お待ちしております。

祇園祭り

こんにちは、あかねさん。
先日一力茶屋のお茶会を兼ねて久々に祇園祭りに行ってきました。様子はブログに綴っておりますので良かったらご覧くださいね。
この京都のお茶会も朝も早いし暑さが続き大寄せでしたので洋服で出席しました。
着物は子供の時から母に着せてもらっていたので大好きなのですが、自分で着るとなると補正をしたりが面倒で未だ一人で着れません。
お稽古は洋服でお茶会の時だけ着付けに来ていただいています。
普通に動くのは着物でも大丈夫ですが
お茶席で執行やお道具拝見の時に動く時は袖や裾がやはり気になりますね。
ミクシーのお友達は皆さんお茶にお詳しいので私も勉強になっています。
また、パリでのお稽古の様子楽しみにしております。

*アーミさま、
こんにちは。パリは猛暑が続いております。
京都一力さんでのお茶会の日記、読ませていただきました。どうもありがとうございます。
パリのお茶のお稽古は夏休みに入ってしまい(3ヶ月間)おうちで練習をしたいのですが、お道具もすべて揃っていないので途方にくれています。8月に京都に帰ったときに足りないお道具をそろえるのを楽しみにしているんです。
お茶の手の動きはお着物を着て練習してみて初めて「なるほど」と思ったことも多かったのでこの夏はお着物で友達とお稽古を、、と思いつつ今はあまりの暑さにまだ実現できずにおります。
又アーミさんの日記の方にも遊びにいかせていただきますね

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猛暑の中、着物でお出掛け

6月12日、会社を休んで、パリからいらした方をアテンド。お会いしたのは初めてですが、着物が縁でお知り合いになったのでもちろん二人で着物。イメージ通りのとても素敵な若い女性でした。 ?和服に白い日傘なんて素敵でしょ?!後は噴水。 ? 紺色の絽の着
  • [2006/07/13 19:36]
  • URL |
  • オペラ三昧イン・ロンドン |
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コートールド美術館のルノアール

昨日の世界美術館紀行はロンドンのコートールド美術館だった。印象派の傑作が沢山
  • [2006/07/14 22:39]
  • URL |
  • いづつやの文化記号 |
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